旧板でも載せましたが　ＵＲＳさんが再びこの偉大なる『祐巳様』を登場させたのでこれも再びです。

そう、いかにして細川女史が演説したのかを・・・















　皆様方、わたくしは祐巳御姉様が好きです。
　皆様方、
　わたくしは祐巳御姉様が好きです。

　皆様方、

　わたくしは祐巳御姉様が大好きです。



　優しい微笑が好きです。
　恥らう姿が好きです。
　頭を撫でる軟らかい手が好きです。
　私を見つめる目が好きです。
　やわらかな匂いが好きです。
　手作りのお弁当が好きです。
　しなやかに歩く姿が好きです。
　ちょっぴりドジな所が好きです。
　ちょっとした仕草が好きです。

　学校で　　　教室で
　プールで　　校庭で
　更衣室で　　おトイレで
　薔薇の館で　生徒会室で
　図書室で　　講堂で

　この地上で行われる、
　ありとあらゆる祐巳御姉様が大好きです。



　隊を組んだ私たちの思いが、心から溢れる思いと共に祐巳御姉様に届くのが好きです。

　空中高く放り上げられた不届き者が、校門前でさらし者になった時など心が踊ります。

　私が操る槍の一撃が、不埒な男達を撃破するのが好きです。

　悲鳴を上げ怯える級友達から逃げ出した変態狼藉者を、槍でなぎ倒した時など胸がすくような気持ちになります。

　得物の先をそろえた剣道部の同士が、男達の群れを蹂躙するのが好きです。

　興奮状態の紅薔薇様が、既にボロボロになった男達を何度も何度も足蹴にしている姿など感動すら覚えます。

　写真部の武嶋蔦子様にお願いして、秘蔵写真（りりあんっ子としてはどうだか問題あるような転び方をしてスカートが盛大にまくり上がった写真）をお譲りしていただいたときはもうたまりません。

　バーゲンセールでお目当ての物が買えなくて、落ち込んでいた祐巳御姉様がわたくしが作ったチーズケーキで元気になられたのは最高でした。

　哀れな男達が健気にも祐巳御姉様にラブレターを持ってきたのを、紅薔薇様と松平瞳子とわたくしとで木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚えます。

　祐巳御姉様に抱きしめられ、“ギュッ”と抱きしめられるのが好きです。

　わたくしだけに向けて欲しい微笑が、紅薔薇様に向けられた時はとてもとても悲しいものです。

　祐巳御姉様の胸の中で失神するのが好きです。

　分量を間違えた紅茶を、祐巳御姉様に飲ませてしまったのは痛恨の極みでした。

　皆様方、

　わたくしは天国のような愛を望んでいます。

　皆様方、
　私と心を同じとする同士の皆様方。

　皆様方はいったい何を望むのでしょうか。
　
　更なる愛を望むのでしょうか？
　情け容赦の無い怒涛のような愛を望むのでしょうか？

　鉄風雷火の限りを尽くし、参千世界の鳩を呼び寄せるような嵐の様な愛を望むのでしょうか？



『ＬＯＶＥ！！』
『ＬＯＶＥ！！』
『ＬＯＶＥ！！』
　


　わかりました、
　ならば愛です。

　わたくし達は、満身の力を込めて今まさに渡されようとする薔薇の花束です。

　ですが、
　この現代社会から隔離されたような雰囲気の学園生活の中で、九年間もの間耐え続けて来たわたくし達にただの愛では絶対に物足りません。

　大いなる愛を！！

　一心不乱の愛情を！！


　わたくし達は、わずか一学年百人にも満たない一年生です。

　ですが、皆様方は一騎当千の古強者だとわたくしは信仰しています。

　ならばわたくしと皆様方で総数十万と一人の妹仲間となります。

　

　わたくし達を邪魔者扱いをし、視界から外す男達の意識をこちらに向けましょう。

　襟首を掴み取り引き倒し、目を開けさして見せ付けてやりましょう。

　連中に『麗しき百合の香り』を見せ付けてやるのです。
　
　連中にわたくし達の愛情を見せ付けてやるのです。

　天と地の狭間には、男達の哲学では理解する事もできない事があることを、見せ付けてやるのです。

　百人の妹達の集団で祐巳御姉様をやさしく包み、また優しく包み込まれるのです。



　『りりあん瓦版　印刷開始』
　『ＯＧ連との連絡を密に』
　『特集記事　追加』
　『妹（スール）限定ブロマイド配布』



　目標　
　花寺学院！！

　『第１４次掃討作戦』

　状況を開始します。





　この後、摩夜摩夢の姿を見たものは居ない。
　だた、赤い髪の女学生の肩に担がれた肉の塊が、摩夜摩夢に見えたような気がすると。
　用意されたライトバンの中にもう一つ赤い染みが入ったずた袋があったと・・・

　：今日の行方不明者　２名：