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「記憶と思いの果てに……第5話(GS+BC)」狼虎 (2004.10.15 23:09)
蛍………

蛍がその輝きを宿し、

その光を放ち保ち続ける時は

10日間の間、しかも夜だけ、空中に命の輝きを灯す

あまりにも短く………

あまりにも儚い………

だからなのだろう、蛍の光が美しいと思えるのは……

儚さの中に、強い命の光を放つ

その光が、美しいと思えるのは……

だから、なんだろう……

あいつと過ごした日々が……

あんなにも強く、輝いていたのは……



記憶と思いの果てに……第5話



「私は、セフィリア……

 セフィリア・アークスといいます……

 ルシオラさんから、あなたへ伝えるよう言われた、

 言葉を……今から伝えます……」


伝えます………?

その言葉の意味を、横島には理解できなかった……

いや、理解することを、心が拒否していた………

でも、自然と口から言葉が出た………

「伝えるって………どういう意味ですか………?」

そう、反射的に言葉が出た……

「………私に言えるのは、本当は何も無いのでしょう

 でも、私は彼女に誓ったのです、あの時……」

そう言って、彼女は目を閉じた………

何かを思い出すかのように……




横島が起きる、数十分前………


横島の体中には、まるで"内側"から傷つけたような

無数の傷ができていた、更に、その傷から溢れるように

血が流れていた、止血をしているのにだ……

更に、両足と左肩はひどいものだった、

更にひどい方といえば、それは両足のほうだ

銃で撃たれたのだろう、傷跡は、

無理に動こうとしたのか、そこまでは解らないが

傷跡は広がり、また、解らないが他の傷と同様に

どれだけ止血をしても、そこから血が溢れるのを

止められなかったのだ……


ここでいう、"止血"とは、一般的に言う止血ではない

もちろん、血を止める、と言う部分では違いが無いのかもしれないが

彼女の方法は、それに加え霊的な治療法も

加えているからだ……

俗に言う、ヒーリング、である

更に、彼女のヒーリングは本人の高い霊力も然ることながら

その技術もともなって、更なる効果をもたらしているはず

そのはずなのに、だ、傷は収まるどころか

広がるのでは、と思うほどに血は止まらず……

顔色も悪くなり、横島の身体状況は悪化するばかりだ

「……やはり無理だったのでしょうか……」

セフィリアは、どこか悲しそうに呟いた……

セフィリアが横島を見たとき、もう助からないと思った

だが、何故だか、何故だか解らないが

この人は助かると……

いや、助けたいと思った……

幼少の頃より、親の元で、剣術と暗殺術etc

を覚えさせられ、"誰かを心配する"などと言う気持ちなど

当に忘れた……いや、知らなかった自分だと思えていたのに

だから、だと思う……彼を助けたいと、そう思ったのは……

「あなたと話をしてみたかったです」

そう言い、目の前の青年を見る……

もう、死期が近いと、わかるその青年を……

「せめて、あなたの魂を……導くだけでも……」

そういい、両手に霊力を高める……

いや、高めようとしたその時!

横島の右手が光出した!

その光は、強く強く光、横島を包み込んでいく……

「こ、これは……」

いきなりのことに、セフィリアは驚くが、

すぐに冷静になり、その光を見る

「これは、霊力……いえ、これは……魔力!?

 彼を破壊する……いえ、違う……これは……」

彼女がそう思案していると、

その光は彼、横島から離れ

収縮していく……そして、その光が収縮してきたそこには

女神がいた……

実際には違う、違うのだがセフィリアにはそう見えた

そう見えてしまうほど、その女性は美しく神秘的だった

「あなたは……」

セフィリアは警戒するのも忘れ、

ただ、呆然と呟いた……

それに対しその女性は、

「私は、ルシオラっていうの……え〜と、あなたは?」

そう、セフィリアに微笑みながら言

「私は、セフィリアと言います……」

そう、答えてからセフィリアは自分の失態に気づいた

なぜ、自分はこうも簡単に本名を話してしまったのか……

今となっては、後悔しても仕方ないが……

「えっと、いきなりで悪いんだけど、

 あなたにお願いがあるの……」

いきなりの、ことにセフィリアは困惑した

彼女の名前は解った、ルシオラさん、

たぶん、魔族であろう、彼女の発する魔力

それに、頭に見える触角のようなもの……

そこから、魔族であろうということがわかる……

それは、解るのだが……

「お願い、ですか……?」

なぜ、いきなりお願い?なんの?

と言う考えが浮かぶのは、仕方ないことだろう……

「うん、簡単なことなんだけどね、

 こいつに、あ、この寝ているの横島っていうんだけど」

と、彼の事を微笑みながら言う

そして、セフィリアを向き、真剣な表情になり

「横島に、伝えて欲しいことがあるの……」

そう言った

「伝えて、ほしいこと……?」

セフィリアは不思議そうにそう、訪ねた

「ええ、それは…………

その話をセフィリアは、真剣な表情で聞いた……

…………これを、横島に伝えて欲しいの……」

そう、悲しげに横島を見ながら言った……

それを見ていたセフィリアは、真剣な表情で

「……解りました、私、セフィリア・アークスは

 あなたの思いを、横島さんに、伝えることを

 誓います……」

そういい、片膝をつき、ルシオラに誓った……

「そ、そこまでしてもらわなくてもいいのよ!

 でも……お願い、聞いてくれてありがとう……」

そういい、セフィリアに向かって微笑んだ

そして……また横島を見て

「もう少し、横島を見守っていたかったけど……

 もう、時間みたい……」

そういう、彼女の体は淡く点滅するように光出していた

「……もう、いかれるのですね……」

ふいに、セフィリアがルシオラに向かっていった

「うん、もう、そろそろ、私を保つのも無理みたい……

 そうだ、、もうひとつだけ、お願い聞いてもらえる?」

「もうひとつ?」

セフィリアが訪ねるように言う

「うん、まだあったばかりのあなたに、こんなお願いするのも

 間違いなのかもしれないけど……」

それを聞きセフィリアは

「言ってください、ここまで聞いていたんです、

 最後まで付き合いますよ」

そう言った、すこし、微笑みながら

そして、ルシオラはそれに対して微笑み

「……ありがとう、最後のお願いはね………

 ………をお願い………」

そういい、そして………光となり、消えた………

それを見ていた、セフィリアは、

不意に瞳から流れる何かに驚き……

「涙………?もう、流すことは無いと思っていたですが」

そういい、どこか決意を秘めた目で、

ルシオラの消えた場所、もう、何も無い空間を見て

「最後の願い……絶対に守ります……」

そういい、横島を見た……

「絶対に………    」



(ありがとう)



不意に、彼女の声が、聞こえたような気がした……










続く……



どうも、狼虎です

……伸ばしました……

いや、書くつもりでいたのに、伸ばしちゃいました><

なので、ルシオラの伝えたいことは次回

に、続くと言うことで……


あと、360度が360℃になってました……^^;

D,さんご指摘ありがとうございます

そして、すいません><;


では、次回ルシオラがセフィリアに伝えたこととは!?
      次回わかります……(たぶん……


では、ご意見、ご感想、よろしくお願いします








 

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△記事頭
  1.  ルシオラの最後の献身・・・・そして横島を幸せにする事をバトンタッチしたって感じですねぇ・・・・・
     ルシオラの最後の願と、セフィリアへの言葉はなんなのか次回が楽しみです
    D,(2004.10.16 00:13)】

▲記事頭


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