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「Go together 第二話(GS+ネギま!)」

らっかー (2007-01-26 19:42)
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魔法先生ネギ・スプリングフィールドはわめいていた。
口というより頭まるごと捕まれ、言葉にならないながらもわめいていた。


『Go together 第二話』


「サイキック猫だまし!!」

その声が聞こえた瞬間閃光が走った。思わず目を閉じると、

ムンズ

そんな感触がして口を塞がれた。
目をあけると口を塞いだ何かが光りながら体を這い、まきつかれて、体ごと持ち上げられた。
光る何かは、足の辺りまでまとめて巻きついているので、身動きがとれない。半ばパニックになってわめきだした。

「おおっ、ネギ悪いな。口塞いだままだった」

そう言って、横島はネギの頭をつかんでいた栄光の手の、親指と人差し指を解放した。残りでネギを持ち上げたままだ。
ネギは、ようやく自分が光る大蛇のような右手の、掌に顔を掴まれ、その腕に巻きつかれていると理解する。これも彼の技なのだろう。

因みに左腕と胸をつかって宮崎のどかをやさしく抱えてもいる。ネギがほとんど簀巻きなのと比べて随分扱いが違う。
これがタイガーあたりなら、片足つかんで引きずるところなので、一応やさしく扱っているほうだ。子供には一応だがやさしい。

「横島先生、これは一体?」

ネギは光る手の事を聞いたつもりだったが、横島は状況についてだと受け取った。

「ああっ、逃げてるんだ。この娘確保して、次におまえがびっくりして声上げないように、口をふさいだ。
その姿勢で片手じゃ無理だから、俺の技でこんなふうにした腕で、そのままお前をぐるぐる巻きにして逃げ出した。」

なにを言われたか分からず、一瞬目が目が点になりそして気付く。
横島は自分と宮崎さんの二人を抱えたまま(自分はむしろかつがれて、だが)、猛スピードで走っているのだ。
小柄な者といえ人間二人、大した体力だが、今注目する所は違う。

「逃げてるって!! 何逃げてるんですか! 俺の戦いを見せてやる、なんてかっこ良く言ってたのは何なんですか!?」

さっきのエヴァンジェリンの時といい、ネギはつっこみを覚え始めたようだ。

「だから見せてるだろ。にげるが勝ちだ」
「ななっ、なに言ってんですか!! エヴァンジェリンさんどうするんですか!?」
「とりあえず、犯人確認できたし、学園長にでも報告して任せるさ」

人はそれを、まるなげと言う。

「エヴァンジェリンさんは僕たちの生徒です。放り出してどうすんですか!?」
「んー、でもこの子巻き込んだまま戦えんだろ。」
「ぐっ」

言葉を詰まらせる。それは確かにその通りなので、話をエヴァンジェリンからそらされてしまう。

「とっ、ここからは自分で走れネギ」

速度を緩めネギを下ろす。一瞬躓きながらも身体能力を上げ、ネギは横島に併走した。
ひょいと、横島が元に戻した右手で、進行方向を指差している。

「ここじゃ、魔法は秘密なんだろ」

「ネギーッ」

前のほうから明日菜が走ってきた。木乃香もいるので確かにあの光る手は見せられない。
彼女たちにいち早く気付いたようだ。横島は目がとても良いのだ。覗きのために鍛えたので…。

「本屋ちゃん!? 横島先生っ、本屋ちゃんは!?」
「ああ、大丈夫。気を失っているだけだ。体に異常はない」
「一体どうして?」
「例の吸血鬼を装った奴に襲われかけてな。丁度、俺たちが通りかかったんで、本屋ちゃんは無事だったが、犯人は逃がしちまった。
顔は確認できたから、もうすぐこの騒動も治まるだろう」

実際は装ったではなく本物の吸血鬼で、犯人を逃がしたではなく逃げてきたのだが、魔法を隠す為誤魔化す。
明日菜には話しても平気なのだが、横島はその事を聞いていなかった。
明日菜の方も横島を、急に付く事になった副担任、としか聞いていなかったので、突っ込んで質問できない。
二人がお互いの事を知っていれば木乃香に人を呼びに行かせ、細かい話しもできたのだが。
話しても平気な相手を伝え忘れた。ネギのミスだった。しかしその当人は、

「宮崎さんを頼みます! 僕はこれから事件の犯人を追いますので。心配ないですから先に帰っててください」
「え、ちょっとネギ君…」「おい待て、ネギっ!」
「じゃあ!」

のどかを任せる相手が見つかって安心したのか、一人で先走って、きた道を戻り始めた。魔法を使っているので止める間もない。

「あー、もう! 横島先生のどかをお願い!」
「えっ、おい神楽坂!!」

怒っているのか、あだ名じゃなく名前でのどかを呼んで駆け出した。こっちも魔法じゃないのに、とんでもなく早い。

「ど〜するん?横島先生?」
「ど〜しよ〜か、近衛」
「あ〜、木乃香でええよ」
「ああ、じゃあ木乃香ちゃんで」

あの二人ではエヴァンジェリンに敵わないだろうから、放って置く訳にはいかない。特に3年後、いや1年後でも充分楽しみな神楽坂は。
かといって本屋ちゃんを近衛に任せる訳にもいかない。近衛もとい木乃香の体格では、一人で運ぶのは難しいし、置いておく訳にもいかない。
やはりネギの後姿を見つけた時に、のして保健室にでも放り込んで置くべきだった。ミスったな〜。

そんな事を考えながら、のほほーんとした木乃香に、雰囲気を合わせて答えた。
ついでに最初にその呼び名を聞いたせいか、宮崎のどかは、横島に本屋ちゃんで登録されたようだ。


闇の福音エヴァンジェリンは、桜通りを怒りをまとわせながら、家に帰るために歩いていた。

ネギ・スプリングフィールド、自分にこの忌々しい呪いをかけたナギ・スプリングフィールドの息子。
そいつが自分から、のこのこと自分のいる、この学園にやってきたのだ。

本人では無いが、血を受け継いだ極めて近しい者。その血を使えばこの呪いを解く事も可能だ。
自分は今、魔力を封じられ、満月の時かろうじて吸血鬼として活動できるのに過ぎない。
この状況ではネギの血を吸うことも難しいが、最近茶々丸が気になるデータを見つけてきた。

学園の大停電、その時ならば自分の魔力は復活するらしい。確認はまだだが、思い当たる事もある。まず間違いあるまい。
その機に備え、力を蓄えようとしたところ、メインディッシュが態々やってきた。
だというのに、

「おのれ横島忠夫!! このエヴァンジェリンを、エヴァンジェリン・A・k・マクダウェルを、闇の福音エヴァンジェリンを散々コケにしおって!!」

まださっきの余韻が残っているのか、わざわざ名前を繰り返して叫ぶ。プライドのひびは意外と大きかったのかもしれない。
その後姿に声が掛かった。

「エヴァンジェリンさん。待って下さい!!」
「んっ?」

ネギがエヴァンジェリンに追いついてきた。

「きさまか」
「なんであなたはこんな事をするんですか!! 魔法使いは、世のため人のために働くのが仕事なんですよ!!」

そんなことを言うとは、吸血鬼、それも悪い魔法使いの自分にそんな理想論を語るとは笑える。

「この世には、いい魔法使いと悪い魔法使いがいるんだよ、ネギ先生」

ニヤリッ、と笑いきびすを返し、走り出す。
どうやら一人のようだが、いつあの男が来るか分からないのでは、落ち着いて血を吸えない。
時間を稼げる場所まで引き離す。瞬時に策を組み立てパートナーに連絡を入れる。ネギが追ってくるのを確認しながら空に飛び立つ。

「待ちなさーい! どーしてこんな事するんですかー。先生としても許しませんよー!!」
「はは、先生。先生は奴の息子なんだろう。そのサウザンドマスターゆずりの魔法で、私を捕まえられたら教えてやるよ」

さりげなくナギを知る事を臭わせ、挑発する。まあ、ナギと違い魔法は真っ当なものだろうが。この呪いの魔法を思い出し顔をしかめる。
効果覿面だったようだ。挑発に乗ってくる。

「父さんを知ってるんですか!!」
「どうだろうな。捕まえられたら、そいつもおまけに教えてやるよ」
「本当ですね」

見えるようにニッ、と笑いさらに挑発を重ねる。良い感じだ、やはり自分はこうでなくては。
さっきのような屈辱は自分にふさわしくない。エヴァンジェリンの頭に横島の顔が思い浮かんで、笑顔が引きつり、額に青筋がうかんだ。

「ラス・テル・マ・スキル マギスキル 風精召喚!! 剣を執る戦友!!」

早速挑発にのってネギが魔法を放ってくる。どうやら中位精霊による複製のようだが、同時に8体と中々の数。
やはり奴の息子、10歳の見習いとは思えない魔力だ。魔法薬をばらまいて防ぐが隙が出来て追い込まれる。
…フリをする。追いこまれたのではなく、パートナーを呼び出した所に引き込んだのだ。

「追い詰めた! これで終わりです。風花 武装解除」

少し予想を上回られて武装解除される。まあここまでくれば関係ない。だがいい腕だ。

「…やるじゃないか、先生」
「こ…これで僕の勝ちですね」」

武装解除で下着姿になった自分を見て赤くなり、見ないように目を半分隠している。
この辺りはまだまだ子どもだ。

「いいや、まだだね」
「魔力もなくマントも触媒もないあなたに、勝ち目はないですよ!!」

ああ、やっぱりたいしたものだ。こちらの魔力がわずかしか無いのに、もう気付いている。でもそんな事は関係ない。

「これで勝ったつもりなのか?」
「えっ」

そこにズシャッ、と重い音を立ててエヴァンジェリンのパートナーが降りてくる。

「なっ、新手!! ラス・テル・マ・スキル…」

ネギは呪文を唱えようとするが、

びしっ「あたっ」

でこぴんに止められる。

「えっあれ!? き、君はうちのクラスの…」
「紹介しよう私のパートナー、3-A 出席番号10番“魔法使いの従者”絡繰茶々丸だ」

ここに策は為った。その後、ネギの呪文は全て途中で茶々丸の攻撃に封じられ、ネギは完全に拘束される。

「ふふふ、ようやくこの日が来たか。おまえがこの学園に来てから今日と言う日を待ちわびていたぞ…。
これで奴が私にかけた呪いもとける…」

どこか高揚したようにエヴァンジェリンが息を吐く。

「え…、の、呪い…」
「そうだ…」
「ムチムチボンテージの?」
「ちっがーう!!」

そういえばさっき、そんな感じの発言をした覚えがあるが、だからといってどんな呪いだそれは。
たしかに自分にかけられている登校地獄も嫌な呪いだが、ムチムチボンテージの呪いにかかっている、などと思われるのもごめんだ。

「きさまの親父だ、ナギ・スプリングフィールド!! 奴が私に呪いをかけたんだよ!!」
「父さんがあなたに、ムチムチボンテージの呪いを!?」
「だっれがムチムチボンテージの呪いだ〜!!」

がっー、とエヴァンジェリンが吼える。怒りと興奮の余り、目じりに涙が浮かんできている。

「とにかくその呪いを解く為に貴様の血が大量に要るんだよ―!!」
「ムチムチボンテージの呪いを解く為に僕の血が!!」
「違うとゆうとるだろが―――っ!!」

ぜえぜえ、と息を切らせるエヴァンジェリン。あんなに叫びまくれば当然の結果だろう。
ネギは唖然としている。何がなんだか、わからない。

「もういい、とにかく血をいただくぞ」

これ以上付き合いきれるかとばかりに牙をだし、ネギの首筋に狙いを定める。そこに、

「ちょとまて〜!!」

と、走って来た横島が、とび蹴りを入れてくる。
魔法障壁でそれを受け止め、距離を取る。

「ちっ。早いな、もう来たのか」
「ふん、ムチムチボンテージなどと叫んでいたのが仇に為ったな。俺がそんな叫びを聞き逃すと思うな」

横島は木乃香とともに、のどかを保健室に運び込み、残っていた保健医に二人の事をまかせ、大急ぎでネギ達を追跡し始めたのだ。
追うべき者は、2人ともかなりの速さを持っている。間に合うか不安はあったのだが、どうやらその叫びを聞きつけて、明日菜を追い抜いたらしい。
さらにその後ろから明日菜が屋根を走ってくるのが見える。

「コラーッ、この変質者が―――っ!!」

そう叫んだ明日菜のとび蹴りが、ガンッ、と金属的な音すら立てて今度は見事に炸裂した。

「な、なぜに〜!!」

横島の後頭部に。
ズシャーと音を立ててすべり、エヴァンジェリンの魔法障壁にぶつかってようやくとまった。
エヴァンジェリンもネギも、茶々丸さえも、起こったことを呆然と見ている。

「えっ、横島先生!! それにエヴァンジェリンさんに茶々丸さんまで、ネギもっ!? 一体どうなってんの!?」

もちろん彼らには答えられない。むしろ彼らが聞きたい。なにをやっているのかと。

明日菜がネギを探しながら走っていた時、突然謎の人影に追い抜かれたのだ。ムチムチボンテージを聞きつけた横島である。
あまりの速さと暗さのために顔を確認できなかった明日菜だが、その人影を怪しく思った。
その向かっていった先をみると、屋根の上で先ほどの人影が、下着姿の少女の前に立ちふさがっている。
間違いない。あの人影は変質者だったのだ。

角度が悪く、ネギを捕まえた茶々丸は確認できなかったのだ。
目的とは違うが、そんな変質者を放っておく明日菜ではない、ほんの一瞬で建物を駆け上がって、上のシーンに繋がる。

「まさかっ、横島先生が変質者!?」

明日菜正解。それは、ある意味とてもとても正しい。

「違います。エヴァンジェリンさんが噂の吸血鬼なんです」

再起動したネギが言う。違わないのだが今回は正しい。ネギもそろそろ横島の正体に気がついて良さそうなものだが…。

「え゛っ」

つまり自分は、ネギを助けようとしていた横島先生をのしてしまったのか。嫌な考えが頭をよぎる。

「でっ、どうする気だ? 神楽坂明日菜」
「お゛ぅ」

足元にある横島の頭をぐりっ、と素足で踏みつけながらエヴァンジェリンは明日菜を見る。かなりいい気分だ、特に脚。
流石の横島も、思わぬダメージに回復が遅れているようだ。しかし、どこかその顔は恍惚としてうれしそうだった。

横島が現れ、今回は無理かとあきらめかけた。その時、何故かネギ側のはずの明日菜が、最大戦力であろう横島を倒してしまった。
これで状況は一気にこちら側に傾いた。小娘一人、魔法使いでもなし、物の数ではない。

「くっ、とにかくネギを放しなさい!!」
「やだね。取り返したければ、自分でなんとかするんだな」
「こんのぉ〜」

悔しそうに明日菜がエヴァンジェリンをねめつける。ネギが捕まる位なのだ。相手も只者ではあるまい。
自分では敵わないだろう。そんな思いをねじ伏せて、明日菜は向かっていった。

「うっ、りゃあぁぁ―――」

こん身の回し蹴りを叩き込もうと踏み込み、蹴り上げ、

「はぶぅっ」「あっ」

あっさり決まってしまった。

「へ?」

逆にあっけに取られてしまう。なにをやっているのだこいつらは。なんかこー、不思議な力で防ぐもんじゃないのか魔法使いとかなら。

自覚が無いために、彼女は自分がその不思議な力を破った事に気付かない。
蹴りを決めたまま固まってしまった明日菜のすぐ下で、

「俺はロリコンじゃないんや…」
「横島先生!! どうしたの、傷が深いの!?」

今も、もろ出しのままになっている純白。明日菜の下着を見て、復活してしまった横島が男泣きし、それをネギが労ろうとしていた。

「おっ、おのれ〜〜」

その間にエヴァンジェリンが、ふらつきながらも起き上がる。
今の状態では、弱い物しか使えないといえ、魔法障壁をあっさりと突破され、計算外のダメージを受けてしまった。
しかもネギを放してしまった。横島も起き上がっている。今日はもう目的をはたすのは無理だろう。

「よくも私の顔を足蹴にしてくれたな、神楽坂明日菜…。そしてここまで私をコケにする人間もアイツ以来だ、横島忠夫。
覚えておけ、この私エヴァンジェリンに、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルに、闇の福音エヴァンジェリンにここまでしたことを。
必ずやこの借りかえすからな〜〜」

そういってエヴァンジェリンと茶々丸は屋根から飛び降りていった。

「ここ、8Fよ…? それにしてもエヴァンジェリンさん、意外と目立ちたがりや?」

下着姿で出歩き、名前を連呼しながら去る、そう感じても無理は無いが…。
そして明日菜自身だが、自分も横島を不審人物と思ったとき一瞬で8階を駆け上っている。
バカレッド、自分の数分前を忘れる本領発揮ぶりだった。


「ひいてくれた、か」
「彼女、杖も箒も無しで空を飛んでましたしね。吸血鬼だし、ただの魔法使いじゃありませんよ」

後ろから横島とネギの声が聞こえ、振り返る。そして横島と目を合わせ、

「「あっ!」」

二人の声が重なる。

「「(神楽坂)(横島先生)、ごめんっ!!」」

そう叫び、横島の手刀と明日菜の蹴りが、相手を気絶させようとぶつかる。

「「くっ」」

二人は、あせる。足場が悪く、攻撃が噛み合った為、不安定なまま拮抗してしまった。動けない。
下手に動けば相手を落してしまう。殺そうとしている訳ではないのだ。

「ふっ、二人共どうしたの!!」
「「なにいってんだ(の)、ネギっ! 魔法の事はひみ…つ?」」

最後の台詞が重なり、二人は疑問符を浮かべながら、重なりあった台詞の意味を考える。

「ああっ、それなら大丈夫です。横島先生は僕と違うタイプの魔法使いで、明日菜さんは僕の事、知って秘密にしてくれてます」

そうにこやかに答えるネギだが、

「ネギ、おまえ俺に、生徒達は魔法使いじゃないから、気をつけてくださいね。とか言ってたよな?」

まず横島がギギギ、と首をネギにむけ、

「私も、横島先生は急に入る事になった副担任です。としか聞いてないわよね?」

明日菜もゴゴゴ、と空気を震わせながら振り向く。

「神楽坂が知ってたんなら、他にもやりようあったんだがな〜」
「横島先生と私が戦う必要もなかったわよねー」
「えっ、ええっ!!」

二人ともネギの発言のために、とっさに相手に攻撃を加えたのに、出てきた言葉がこれでは、頭に血も上る。

その殺気を感じ、後ずさるネギに、二人はゆっくりと近づいていく。だがここは屋上、すぐに逃げ場はなくなる。
杖は二人の向こうに落ちたままだ。飛ぶ事もできないし、飛べても逃げられる気がしない。

「「ネギ! 覚悟はいいな(わね)?」」

嫌な笑顔の二人は、
(がしっぃぃぃ)ベアークローと(びよーん)ほっぺ伸ばしをネギに決めた。
ちなみに横島のベアークローは、栄光の手による物だ。まあ、この程度で済むあたり、二人とも子供には甘いのだろう。

「その手が横島先生の魔法なの?」
「おう、正確にはちょっと違うがな。伸ばしたり出来て結構べんりなんだぜ。そうだ、さっきので脚、赤くなってんだろ。
これ終わったら治すからな。悪かったな、神楽坂」
「ううん。悪いのはネギだもん。あと名前でいいわよ、横島先生。それに怪我も治せるの?」
「これは、他の魔法使いにも秘密な、明日菜ちゃん。便利なんだけど、ばらせない理由があるんでな」
「はいっ!」

とりあえず友情を深める二人の間で、

「ふは〜ん、ほへんははい。はふはは〜ん、ひょひょひはは〜ん(うわ〜ん、ごめんなさい。明日菜さ〜ん、横島さ〜ん)」

ダブルアタックの刑を受け続ける、ネギの泣き声が響いていた。


あとがき

第二話です。エヴァンジェリンとの初戦はこんな感じになりました。
誤字を指摘して下さった方々、ありがとうございます。
第一話の誤字修正ですが、改訂が2回目になってしまうので、しばらく間を空けてから行います。
ストックがある内は結構頻繁に投稿すると思うので、それがひと段落してから二回目の改訂は行います。


では、レス返しです。
皆さん、感想ありがとうございます。
>念仏さん
プロローグのレス返し、遅くなってしまいました。申し訳ありません。
しばらくはギャグメインでシリアス出てくるまでは少しかかります。
話が進むのが遅くてなやんでます。
>宮本
頑張って行きます。
エヴァンジェリンは自分は悪と言いながら、結構真面目でいい所あるので、使いやすいです。
>tito
ストーリーの追い書きは、最初の内は多くなってしまってます。横島が動いて行く内に減ると思いますが、
元と離れると書きにくくて…、文才が足らずなげいています。
お約束すきなんですが、乱発しすぎましたか。スットック分は結構多いのですがこれから書く分はもう少しバランス考えて見ます。
>仲神 龍人
はい、スケベなとこもパワーアップしています。その点はもう少ししたらより出ると思います。
ボケは…、あれっ? しばらく続くかも…。でもちゃんと真面目なんです。
ルシオラは、ルシオラの事があったからこその成長があります。少しは報われてます。少しは…。
頑張ります。今後もよろしくおねがいします。
>八雲
そうです、その通りです。まったく同意見です。
続きは後数話はストックあるので大丈夫です。それ以降は、…休みに頑張って書きます。
>23
そういっていただけると、うれしいです。
あれで結構横島なりに真面目なんです。行動基準が普通でないだけで。
>靴
ええ、惚れっぽいって言ったって、どこか惚れられる所があってこそですからね。
>rin
今の所理事長の誤解がトップ、続いてネギとタカミチが彼の過去を誤解してますね。今後どうなるやら。
>九頭竜
本当に、成長しても抜けてる所は結構ありますね。
自制は効きすぎるので、後になって後悔してしまいます。彼にはその方がきついでしょう。どっちにせよ、うまくいかんもんです。
>HOUMEI
第二話いかがでしたか?
実際自前でめくらましって、かなり良いカードだと私はおもってます。
>米田鷹雄
お疲れ様です。色々とお手数お掛けしますが、今後ともよろしくお願いします。
>ひろ
誤字指摘、ありがとうございます。
前述したように、しばらく間を空けてから直します。
それにしてもお嬢さんは、一発で出るはずなのに完壁と完璧みたいなミスをしてしまいました。申し訳ありません。
スペースキー2度打ちでもしたかな?
>ヴァイゼ
そこまでしても半日程度しか持たない横島の煩悩が流石と思います。常人相手ならもっと持ちます。越えるのは父親位でしょう。
シリアスはもうしばらくお待ち下さい。
>念仏
最初のレスは申し訳ありませんでした。
時間から見て最後の確認と入れ違ってしまったようです。
横島は原作みても戦うのは好きに見えませんからね。
ネギも原作ではこすっ辛さは別に、決断力という辛さは身につけてきましたね。
ココのネギはどうなることやら。
>七位
キャラクターに好感が持てると言っていただけると、うれしいです。
性格の変わっているキャラクターもいるのでどうしても不安になります。
なるべく嫌なキャラにはしたくないんですが、ギャップも面白いと感じる性質なので気をつけながらかいていきます。
>Iw
ああっ!! 本当に綺麗に読みやすくなってる。
これだけで変わるものなんですね。ありがとうございます。ちょっと感動しました。
SS確かに自分で書いてみると大変です。ばらばらの話は浮かぶんですが、全然つながらなくて。
プロットファイルには、武道会編のバトルシーンもあるんですが、正直それが残る気が全然ありません。
本職でやってる物書きの方たちに対する敬意が、すごくあがりました。
>R-44
誤字指摘、ありがとうございます。
前述したように、しばらく間を空けてから直します。
朝礼暮改はあっていると思います。
もし違っているようでしたら詳細を教えて下さい。
投稿前に推敲というかチェックしてるんですが、見逃してしまいます。
どなたか、良い確認法あったら御教授ください。
誤字乱発してしまって、本当に真剣になやんでいます。

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